ダン吉の日常

ダン吉の趣味の部屋やで

17.作戦変更 #梅太郎伝説 目指せあと143話

 

さあ、さあどうしたものか。今の状況を整理すると、

 

・人がいること

・兵士の服がないこと

 

…結構絶望的な状況な気がするが。。。

 

どうしようか。一回外に出てシャフトに状況を伝えるか?

うーん。それをやっても、解決はしないだろう。

 

どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう…

変な脂汗が止まらない。一秒が数時間にも感じる。

 

こうなったら。。。服を借りよう。そうだ。そうしよう。

 

勇気を振り絞って、じっと見つめてくる兵士に声をかけた。

 

「あ、あの、本日、見回りのためここで着替えをしたいのですが、予備の服はどこかにありますか?し、新人なのでかってが分からなくて。。。」

 

とりあえず、あほなふりして聞いてみた。

 

「…さっきも、兵士の服を着ていない同じような奴がきたな。この短時間で二人も来るなんて怪しいな。」

 

血の気が引いた。ま、まずい。非常にまずい。ば、ばれてしまったか。

 

「…今は、予備の服はもう無いようだ。多分城の中に戻れば、あるはずだ。」

 

…ばれてはいないようだ。

 

…作戦変更だ。大胆だが、この人と、城の中に入ろう。

 

「そ、そうですか、私、新人なんですが、場所がわからないので、一緒に城の中に来てもらってもいいですか?」

 

…変化球は、やめだ。直球勝負だ。

 

「…そうか、わかった。私もそろそろ城の中に行こうと考えていた。一緒に行ってやろう。」

 

…うまくいった。

 

…うまくいきすぎでは?

 

まあ、いいや。とりあえず、今は他に手がない。

 

「あ、あの…」

 

「なんだ?」

 

「ぼ、僕、し、新人で兵士の服がないってなってなったら、上司に怒られてしまいます。で、出来たら、ふ、服貸してもらえないですか?」

 

「…」

 

しまった、欲をかき過ぎたか。さすがに怪しい行動だったか。。。

 

「いいだろう、私も、そういう時期もあったからな。」

 

…この人は、いい人なんだろうな。

 

===

 

着替えが終わった。

ここにいた兵士は、シャツとトランクスという格好になってしまった。いいのだろうか。

 

「さあ、行くぞ。」

 

===

 

ギイ…

 

扉が開いた。梅太郎のやつ、うまくやったようだな。

 

出てきたのは、シャツとトランクスのさっき座っていた兵士だった。

 

「なんだ、まだこんなところにいたのか?」

 

「え、あーっと、ハイ、そいつと同じ場所で見張りが必要で。。。」

 

「そうなのか。」

 

次に出てきたのは、梅太郎だった。ちゃんと兵士の服を着ているようだが、状況があまり読めていない。

 

(おい、梅太郎、どういう状況だ?)

 

(説明は後だ。とりあえず、シャフトも来い。)

 

よくわからないが、梅太郎についていくこととした。