ダン吉の日常

ダン吉の趣味の部屋やで

16.突入 #梅太郎伝説 目指せあと144話

午前二時前、作戦通り近くの茂みにシャフトと二人で隠れた。

息をひそめて、じっと状況を見つめていた。心臓の高鳴りが消えない。

 

と、その時、兵士が動き出した。情報通り、門番が場所を離れた。

 

よし、突入!!

 

まずは、西の休憩所についた。シャフトは、中に入って行った。

そして、梅太郎は、ドアの前で待機した。

 

===

 

俺は、休憩所の中に入った。

まず、想定と違ったことは、兵士が一人いることだった。

 

…とりあえず、一旦、兵士がいることを忘れて、

 平静を装って、兵士の服がある方向に向かった。

 

視線が痛い。それ以上に、声をかけてこないことが不気味である。

 

兵士の服の前についた。

 

「いやー、あったあった。服を着ることを忘れて現場に行ってしまった。うっかりお馬鹿さん、てへっ」

 

われながら完璧な言い訳だ。下の服を着て、上の服を着て、槍を持って。さあ、準備完了。

 

さあ、ここから、さっさとここからずらかるぞ。

 

俺は、この場から離れるために小走りし、

 

「お疲れ様です!!」

 

と、元気に言って、外に出た。

 

===

 

数分でシャフトが出てきた。こちらは、誰も来なかった。

よかった、ここで兵士と会ったらゲームオーバーだった。

 

シャフトはうまいこと、着替えてきたようだ。

でも、独り言を言っているようにも聞こえた。

 

「梅太郎、交代だ。一つだけ、忠告だ。いったん忘れろ。」

 

ん?どういう意味だ?よくわからないけど、休憩所に入った。

 

===

 

えー。中に誰かいるし…

シャフトのいったん忘れろって、中に人がいるけどそのことはいったん忘れろってことなのか?

 

じっと見てくるし。しかも何も言ってこない。そういうことか、シャフトは、うまいこと着替えをしたのか。

 

なるほど、それなら、平然とやろう。

 

着替えがあるであろう方向に進んだ。

 

…人がいたのは、予想外だった。もう一つ、予想外だったことがあった。

 

着替えがない。

 

===

 

(梅太郎のやつ、うまくやっているか。。。)

 

「おい、そこで何やっている?!」

 

やべぇ、門番の兵士に気付かれた。ガタイのよい大男が近づいてきた。

 

「えっと、、、あ、そうだ、私は、新人でありまして、この休憩所の見張りを頼まれたのであります!」

 

「ん?そんな命令聞いていないぞ。何のためにだ!?」

 

「うーんと。。。最近、この休憩所を狙った輩がいるという情報があったため、このあたりを強化することを決定されたようであります!!」

 

「そうか。本日の朝礼も私も眠かったもので、細かいところまで聞いていなかった。わかった。引き続き頼んだぞ。気を抜くんじゃないぞ。」

 

「わかりました!!お疲れさまでした!!」

 

大男は、城の門のほうに戻って行った。

 

…ふう。こんなに機転が利くなんて。なんて素晴らしいんだ、シャフトよ。

 

あとは、頼んだぞ。梅太郎。