13.パンプキン #梅太郎伝説 目指せあと147話
はしごを降りると、目の前に部屋が広がっていた。
部屋の中は、物が整然と整理されて置かれていた。中々の広さであった。
「こんにちは、誰かいますか?」
話しかけてみるが、反応がない。恐る恐る部屋を突き進む。
ガサゴソ
!?何か物音がした、誰かがいるらしい。
ゆっくりと左に目をやると…
「おい、梅太郎、このタンスには大した物が入っていないぞ」
RPGでよくある、勝手に侵入して、勝手に物を取るシステム。怒られないのが不思議だ。
パリンッ
次にシャフトは、ツボを割り始めた。勝手に侵入した挙句、物を壊すとは、もはや事件の匂いしかしないな。
「へへ、パンプキン漬けのやくそうがあったぜ。」
シャフトは、嬉しそうにベタベタのやくそうを袋にしまった。袋の中身が心配だ。
「おい!?何者だ?!」
と、反対方向から声が聞こえた。
振り向くと、全身橙色の服を着た中年男性が現れた。頭には、パンプキンの帽子が乗っかっている。
「貴様ら、何勝手に入ってきてやってやがる。おい、誰だ、ツボを割りやったのは!?ワシの大切なパンプキン漬けスペシャルやくそうがめちゃくちゃじゃないか!と言うよりか、やくそうがないじゃないか!?」
「し、知らないなぁ」
シャフトは、とぼけた顔で音が鳴らない口笛を吹いていた。まぁ、確かに、勝手に知らない奴らが入ってきて、器物破損物で手に入れた物を勝手に持って行かれると、そりゃ怒るわな。
「そうか。お主ら、なんのようじゃ。こんなわけわからないおっさんに要はないだろう。」
確かに、普通だったら話しかけないな。
「あの…僕ら南に行きたいんですが、兵士が邪魔していて進めないんです。また、城に入りたいのですが、そこも同様。もうどうしよもないところで、この場所を見つけて藁をもすがる思いで勝手に入ってきてしまいました。もし、何か知っていますか?えっと…」
「私の名前は、P.パンプキンだ。」
ん?安直&安直。
「おいおっさん、名前を教えてくれたことに感謝する。俺はシャフト。こいつは梅太郎。ちなみにP.パンプキンのPは何なんだ?」
「パンプキン」
おいおい、パンプキン・パンプキンじゃなねえか。親はどんだけパンプキン好きなんだよ。
「ふん、どこの馬の骨かわからない連中に教えてやるものか。」
「そうか、、、もし教えてくれたら、この高級パンプキン漬けやくそうをあげるのに。(チラッ)」
「おおお、ほ、欲しい、、、私は、パンプキン薬草に目がなんじゃ。。。なぜか、さっきなくなっていたのじゃ、、、は、早くそれをく、くれんか、、、」
…いいのか?この展開。