22.大根おろし #梅太郎伝説 目指せあと138話
梅太郎一行は、はじまりの町に戻った。
相変わらず小さい町だ。
町長には、結構戻らないと言った手前、
もう戻ってきてしまった。
しかも理由が、切り干し大根を作ってほしいという内容である。
なんとも恥ずかしい理由であるが、ここから南に行くには仕方がない。
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ギギギ
「こんにちは、町長、ただいま戻りました、ちょっとお願いが、、、」
梅太郎たちの目の前には、頭を抱えた町長がいた。
何かうなっている。
「あの、町長…?」
「ブツブツブツ」
「え?なんですか?」
「ダイ…」
「ダイコン…」
「ダイコンホシイ」
なんだこれは、末期の症状ではないか。
「へいへい、町長、どうしたんだよ、ぶつぶつ言ってさ」
「ダイコーーーーーーーン!!!」
町長が襲い掛かってきた。
町長の攻撃!!
”〇に60のダメージ”
ん?ここで突然の昔流行ったバトルエンピツの攻撃手法。
梅太郎は、☆であった。ノーダメージ。
なんだよ☆って。
シャフトは、60のダメージを受けた。
シャフトは、〇だったのか。
シャフトの攻撃!!
コロコロコロ
もう、エンピツ振っちゃってるじゃん。
”ミス”
「キクショー‼」
シャフトは、無駄に絶叫している。
梅太郎の攻撃
ん?自分も攻撃するの?
梅太郎の攻撃
えー、町長攻撃するの嫌だよ
梅太郎の攻撃
止まんねーな。仕方ない
コロコロコロ
”そうび”
なんか出たぞおい、なんも持ってねーぞ。
仕方ない。
梅太郎は、エンピツに大根を装備した。
「!!?」
「う、梅太郎、そ、それは、だ、だ、だ」
町長は気絶してしまった。
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「町長、起きろよ町長。」
シャフトが往復ビンタをかました。
町長が我に戻って目を覚ました。
やりすぎだ。
「心配しましたよ町長、お願いがあってまいりました。」
「お、おお。すまない、ここ最近の記憶がなくてな、わしは、切り干し大根を作らせたら天下一品じゃ。」
「その、切り干し大根を作ってください。」
「!!?」
「い、今、なんと?」
「え?切り干し大根を作ってください。」
「おー、なんということだ、神よ。私は、一生切り干し大根を作れずに人生を終えてしまうと思っていた。なんというお導き。これまで生かされたことに感謝だ。」
町長は、祈り始めた。
「おい、町長。茶番はいい。先を急ぎたいから早くやってくれよ。」
血も涙もない男だなシャフトは。
「そ、そうだな、それでは、そ、その、伝説の大根を私に手渡してくれ。」
伝説ではない、とは言葉にはせずに、
梅太郎は、大根を渡した、エンピツ付きの。
その時、町長がまばゆい光に全身が包まれた。
梅太郎とシャフトは、目が開けられなくなってしまった。