8.とびら #梅太郎伝説
エンマがいるであろう部屋は、10 m四方の大きなアーチを描いて迫力があった。
…しかし、どうやって開けるんだ?
押してみたがびくともしない。
「なあ、梅太郎。多分、これは何か呪文がいるんじゃねぇか?開けゴマ的なさ。この洞窟のどこかにきっとヒントがあるんだよ。」
たまには、なんかそれっぽいこと言うやつだな。
ただ、何もしないより何かやったほうがいいか。
それでは、ゴホンッ
「ひらけぇー、ゴマッ」
ヒラケェゴマッ
ヒラケェゴマッ
ヒラケェゴマッ…
…ただ、虚しく洞窟に響いただけだった。とてつもなく恥ずかしくなった。だけど、よく言った自分を褒めよう。よくやったと。
ふと、シャフトに目をやると
あーあ、やっちまったよ、こいつ
みたいな憎たらしい顔してやがる。
まぁ、そのまま何も考えずにシャフトとの案に勝手に乗って自爆しただけだけども。
だけど、振り出しだな。何かヒントを探しにいくしかなさそうだ。
1.爆弾で破壊する。
2.呪文で突破する。
3.別ルートを探す。
思いつく内容はこれくらいか。なんの捻りもない内容を自画自賛する。
1.については、おそらく一度町の外に出て特定のおじいさんキャラクターから貰うものだと推測する。この扉イベントを発生させたので、もしかしたら、町から出られるようになっているかもしれない。
2.については、おそらくこの洞窟のどこかにヒントが隠されており、解読し、呪文を覚えることでとびらを突破できるようになると推測する。見落としがないか、洞窟を再チェックだな。
3.については、おそらくこの洞窟のどこかに隠し階段があり、そこから中へと続く道があると推測する。これは、気が遠くなるような洞窟確認が必要だな。
どの条件にしても、骨が折れる作業である事は間違いない。もう少しストーリーを楽しむ簡単に攻略できる洞窟にしてもらいたかったものである。
順番としては、2→3→1でやろう。戻りつつ洞窟の中を探した方が効率が良さそうだ。
「梅太郎!!」
シャフトがいきなり叫び出した。敵の襲来が!?
「ここにこの部屋につながる非常口があるぞ」
…ぬかったな。考えすぎも良くないな。
人生、シンプルに考えた方が上手くいきそうだ。
ギィ
「お邪魔しまーす。」
シャフトがドアを開けて部屋にさっさと入っていった。
…せめてノックぐらいしなさいよ。