7.大きな洞窟 #梅太郎伝説
犬、猿、キジを撃破した梅太郎とシャフトは、洞窟へと足を運んだ。
とてもオーソドックスな洞窟のようだ。
ウォォォオ…ウォォォオ…
奥からずっと唸りが聞こえて来る。
これは、ボス感がヒシヒシ伝わってくる。
足が少しすくんだが、とりあえず進むことにした。
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…別れ道だ。どちらに行こう。
「シャフト、どっちから行く?」
「そうだな、右だな。」
「じゃぁ、左だな。」
梅太郎は、左方向に歩き出す。
「ちょちょちょッ!何でだよ。俺を信じない。」
「今日は雨絶対降らないからって言った日の結果は、どうだった?辛くない食べ物はこっちだって言って食わされた俺の結果は、どうだった?トランプのババ抜きで勝ったことあるか?」
「…素晴らしい推理だ。」
シャフトは、自覚があるのだろう。大きく頬を膨らませてふてくされているが、無言で左方向に歩きだした。
ちなみに右は、宝箱すらない行き止まりだと、後にみる公式エリアマップに載っていた。
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どれくらい歩いただろう。結構歩いたきがする。
しかし、この洞窟、敵のエンカウント率高すぎる。
三歩くらい歩くと、ポケモンで言うズバットみないなモンスターがずっと出てくる。それがまた弱くて対して経験値が入らない。鬱陶しい。
途中に宝箱が2個あったが、薬草が少し手に入っただけだった。
そんな時、突然、シャフトが話を切り出してきた。
「しかし、エンマは何の目的で悪さをしているのかね?」
カッコいいことが言いたかったが、己の支配欲から人間を従わせたい、くらいしか思いつかなかった。
「まぁ、何にせよ、たまには正義の味方になってみたいものだ、なぁ、桃太郎」
「梅太郎だ」
シャフトがニヤニヤしながら、いってきやがった。なんか腹立つな。
しかし、世の中の勇者的な猛者たちが倒しにいっていないのか?宝箱が荒らされていないところを見ると誰も降り立っていないと推測する。
ということは、あからさまに俺を待ち構えているような感じだ。あのモザイクの亀もきっとエンマの刺客だろう。
そうなると、俺は誘導されているのか?俺に何の用事があるというんだ?
梅太郎の頭の中で色々な事がグルグル回る中、シャフトが一人で勝手に、今貴重な薬草をラクダのようにムシャムシャ食べている姿を見て、そんな事は忘れてまた腹立った。
しかし、食べている理由があった。
どうやら、エンマがある部屋に到着していたようだ。