ダン吉の日常

ダン吉の趣味の部屋やで

20.えい! #梅太郎伝説 目指せあと140話

外に出てきた。

なんとも言えない空気。

 

シンプルに腹が立つ。どうしたものか。

城にも入ることができなかったし、もうフラグを回収するようなところはなさそう。

 

「…」

 

ん?シャフトが、うつむき加減に震えている。

これは、ぶち切れているようだ。

話しかけにくいな。

 

ムクッ

 

え、突然震えが止まって、真顔になって遠くを見つめているんだけど。

怖いんだけど。

 

「…必殺」ボソッ

 

「なんか言った?」

 

「回転の軸ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううおりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

と、シャフトが大声で叫びながら、木の枝とパンプキン部屋の間のつながっているところめがけて必殺技を放った。

 

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

玉を集めるアニメの地球じゃない惑星の王子様とカカなんとかが必殺技を出し合っているくらいの気合であるが、特に何も起きていない。

 

「えい!」

 

キュキュキュキューン

 

ものすごい効果音。鋭い風がつながり部分に直撃する。

 

ミシミシミシ…

 

どうやら亀裂が入ったようだ。

と次の瞬間、重さに耐えきれなくなった大きなパンプキンが落下を始めた。

 

一瞬時が止まったように見えた。

そして、パンプキンの中でP.パンプキンが「え?」って言っているような気がした。

 

落下は一瞬だった。

 

ズカアアアアアアアン

 

下を見るを無残に飛び散る大きなパンプキン。

 

野次馬が集まってきた。城の兵士も集まってきた。

 

あれ、チャンスじゃね?今のうちに城に入れるんじゃないか?

 

「シャフト、今のうちに、城の中に入ろうぜ。」

 

「もちろんさ!」

 

その時のシャフトの表情は、とても晴れやかですっきりとした爽やか少年のようだった。まるで、おしっこを我慢していて、急いで家に帰って、トイレでおしっこを出している小学生みたいな表情であった。