ダン吉の日常

ダン吉の趣味の部屋やで

5.仲間 #梅太郎伝説

モザイクの亀の背中らしきところに乗せられ、あっという間に鬼ヶ島に着いた。

 

正確に言うと、カタカタと効果音が鳴って気づいたら着いていた。ワープでも使えるのか。

 

綺麗な森が広がり、道砂利道が整備されており一本道だった。もっと怖いところかと思いきや、そうでもなく梅太郎は呆気にとられた。

 

「梅太郎さん、私はここまでです。」

 

そう残して、モザイクの亀はいなくなってしまった。

 

…帰り道は?

 

神風特攻隊ごとく片道切符で放置されてしまった。

仕方ない、前に進むしかない。

 

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少し歩くと、一本橋が掛かっており、これを抜けるとどうやら鬼ヶ島の入り口らしい。

 

橋は、少し古くなっており、下は崖になっている。

…全く下が見えない。きっと落ちたら最後だ。

 

引き返すわけにもいかず、恐る恐る前に進んだ。

 

ギシギシと揺れるが壊れる心配はなさそうだ。

ただ、ここでラスボスが出てきたら一発アウトだと言う気持ちは心の奥底に眠らせた。

 

橋を1/3くらい渡ると、どこからともなく声が聞こえた。

 

『梅太郎さん、梅太郎さん、お腰につけたきび団子、一つ私にくださいな。ありがとうございました。お供いたします。』

 

猿が仲間になった。

 

ん?お腰にキビ団子なんてつけてないし、あったとしても勝手に取って行くなよ。

 

まぁ、とりあえず、多分いるであろうボスと戦うには少しでも戦力が欲しい。

 

3/2橋を渡ると、犬

橋を渡り切ると、キジ

 

が仲間になった。相変わらずキビ団子を持ってもいないのに。

 

しかし、この短い距離で仲間になるなら一緒に出てこいよと少し梅太郎はイラッとした。

 

よく分からないが、この1人と3匹パーティでここにいるであろうボスに挑むことになる。

 

…心配だ。

 

戦力は謎。しかも、突然勝手に仲間になってきて、会話もない。

 

「梅太郎さん、頑張って敵を倒しましょうね」

「梅太郎さん、頑張って敵を倒しましょうね」

「梅太郎さん、頑張って敵を倒しましょうね」

 

話しかけても、どいつもこいつもコピペの回答。

なんなんだこいつらは。

 

そうこうしている内に、入り口についた。

 

良くある鬼の口が開けているような、大きな空洞。

そこから生暖かい風が吹き抜ける。

 

「さぁ、いざ行くぞ!野郎ども!」

 

と言ったものの、ここの敵は、だれなんだ?

鬼…なのか?

 

得体の知れない何かと戦う、こんな恐怖はないものだ。